ガルルル

相変わらず怒涛の日々。
休みに働いて遅れを取り戻す。
先ほどの雨で、なんだか急に秋がしのびよってきたみたい。
街には油蝉ではない、羽の透明な蝉の死骸がごろごろころがっていた。
長茄子を二本、焼いて食った。
さらに、皇帝キムチに釜揚げシラスをぶっかけて食った。
遅い晩飯。缶ビール一本。
そのあとうたたねして、いまは三時。素麺を三把、茹でて食った。
つゆがもったいなくて木綿豆腐(半分)にかけ、
トマト一ケも合わせて食う。もちろんミョウガを刻んでふりかけた。
汚れ物を湯船でふんづけて洗って干したり床を雑巾がけしたり。
ほとんど機械に頼らない生活。
もうしばらくすると新聞配達のバイクが、このしじまを破ることだろう。
あれ?しじまが出てこない。四十万などと変換されてしまう。
シマントがシジマ?静かな流れという意味なのか?夜の静寂、
しじまって、雅語だったんだ。
それまでは、静寂を破るのは規則的な水滴の音。
シタ、シタ、シタ。ときたら折口だが、そんなに湿った音ではない。
ポト、ポト、ポト。乾いた音だ。一日にほぼ2リットル。
浄水器をゆっくり通ってくる水道の漏水。我が家の湧き水。
都会でも可能な原始生活。雅語を話す原始人。
ガルルルと、ほんとにきたよ新聞のバイク。ではおやすみ。(しょっち)