30周年

所属している草野球チームの創立30周年記念試合に出てきた。
なつかしい顔にもっと会えるかと思ったが、意外に少なかった。
チームは現在、20代前半から40代半ばまでの「若手」が中心になり、
杉並区の大会でも屈指の強さを誇っている。
かつての頼りない感じは、どこを探してもみあたらない。
創立当初は、このぼくがエースだったのだ。
勝つことより負けることのほうが多かった。
それでも楽しかった。
今みたいに選手はみんな球場にクルマで乗りつけ、
ゲーム終了と同時にさっさと帰ってゆく、というのではなく、
終わったら必ずどこかで飲みながら、「試合の続き」をしたものだった。
…まあ、いってみれば、草野球はながらく酒の文化の一環に組み込まれていたのだ。
それがクルマの普及によって一変した。
酒の飲めない若者が増えた?いや、かつては、飲めなくても無理やり飲ませてしまう、
妙な強制力があった。場の空気に近い。それが希薄になった。
「酒文化からの脱却」が始まったのだ。
それは草野球に限らずいたるところにごろごろあり、
それこそ「オヤジ狩り」といってもいい事態として進行中なのだが、
おもしろいのはオヤジギャルという存在が現われ、新たな酒文化を牽引していることだ。
オヤジたちは、かつての自分たちのコピーに近いオンナたちの後ろについて、
ちびちび酒を飲んでいる。その姿は、一見、情けないように見えるが、
じつはそうでもなかったりして。
そういうのをギャルオヤジといっておこうか。
ギャルオヤジとオヤジギャルは、けっこう気が合う。
30周年記念の試合は女性チームとの対戦だったのだが、
試合後の飲み会は、まるで合コンみたいに(といってよいのかどうだかわからないけど)盛り上がった。(しょっち)