フリージャズ

なぜと問う人や五月の花盛り
二歳まであと一ヶ月山笑う

買い集めていたジャズのCDを突然まとめて聴きたくなった。
アルバート・アイラー
三島由紀夫が市ヶ谷で騒ぎを起こした日(1970年11月25日)、
ハドソン川に死体となって浮かんだ男。
学生時代、ジャズ喫茶ではコルトレーンと並んで一番よくかかっていた。
エリック・ドルフィー
糖尿病が原因で1964年に死んでいる。馬のいななきのようなアルトサックス、
そして天使がさえずるようなフルート。
サックス奏者では、あとウエイン・ショーターか。
ほかに、聴きなおして、そうだこいつらが好きだったんだと
改めて思ったのがアート・アンサンブル・オブ・シカゴのフリージャズ。
そうだ、フリージャズはいったいどこへいってしまったのか。
あらゆるものがペット化する。これは、社会の法則のようなものだ。
ゴジラがいい例だ。パンクロックのような凶暴な音楽だって、
結局はペット化してゆく。ダダやシュールだって、そうだった。
激しいもの、発生した瞬間に世界が終わってしまうようなものは、
持続し得ないのか。あるいは、振り子のように、反対側へ揺リ戻されるのか。
ジャズもまた、様式とその破壊の間で揺れ続ける。
初心を忘れないこと。それが大事。
五月も中旬に入ったというのに急に寒くなった。
数日前にはへんな揺れの地震が続いた。
ミャンマーではすさまじいサイクロンが穀倉地帯を飲み込んだという。
なんだか不気味。地球も全然初心を忘れていない。(しょっち)