豆まき
節分だった。正式には節分会(せつぶんえ)。
柴又帝釈天の年中行事だ。消防団の制服で警備についた。
あの亀田三兄弟が豆まきにくるとあって、かなりの人出が予想された。
テレビカメラも2台、並んでいる。3時と4時の2回に分けられた。
豆の入った袋には「当たり」が混じっていて、
それを手につかんだ人は書かれた指示にしたがって参道の店に行き、
なにかに引き換えたり、無料で食事ができたりする。
除夜の鐘を突くのと同じで、年男・年女は一万数千円出せば、
裃姿で豆をまくことができる。
開始前から長蛇の列ができ、やがて警官や消防署員らに誘導されて、
老若男女が境内に特設されたリングのような豆まき舞台を取り囲む。
「押さないで、あせらないで、しゃがまないで」とアナウンスがくりかえされる。
亀田三兄弟や関取、歌手、落語家などが出てくるのは4時の回とあって、
3時からの回はやや人数が少なかったようだ。
でも赤鬼・青鬼がふたりずつ、鉄棒をもって悪さしようと登場し、
帝釈天の「威光」で撃退される芝居から豆まきに入るところは、
なかなかいい感じだった。「われは魔王の眷属なり」などと、
赤鬼と青鬼がそれぞれ(ほぼ古文で)長せりふをいうのだが、
それがなかなかうまいのだ。
主催者発表・最初が1500、二回目が1700、合わせて3千人以上が、
豆まき舞台のまわりに密集したことになる。けが人はなく、無事終了。
もらった豆を家で食べる。玉が一握りでつかんだ豆は、47粒だった。
ま、ちょうどいい数字だろう。(しょっち)
消防しょっちの公務の姿を撮影しようと、帝釈天へ。
正面入り口では入場制限にあい、入れず。
あきらめて帰ろうかなと思いながら、道路沿いに土手の方に歩いていくと、
境内の裏の方につながる場所にはガードマンが一人立っているだけで
何の静止もなく、すっと入れた。
正面で抗議していた人や脇におとなしく並んでいた人びとに教えてあげようか。
ちらと掠めたが、時間もちょうどだったし、しょっちの姿が見えたので…
思ったほどの人ではなかったが、舞台に近いところはぎゅうぎゅうだったのだろう。
「しゃがんで豆を拾うのは危険です。後ろの方の方はそのままの姿勢で、
手を上に伸ばして豆を掴んでください」
アナウンスが何度も繰り返されるのが、おかしかった。(玉)