さむっ

ぬくもりの丸み残して褞袍かな  (玉)


鉄橋に川鵜も眠る小春かな  (しょっち)


全然寒そうじゃないな、これは。
また朝帰りしてしまって、もはや西日の差し込む26日の4時なのだ。
ぬくぬくとした部屋で、いま雑炊を食べ終えたところなり。
スパイダソリティアの魔力、についての考察。
くもの巣にひっかかって、身動きもならぬとはどうしたことか。
最初はパソコン起動時の儀式のようなものだった。
ほんの肩ならしでフリーセルを始め、
軽く5連勝くらいしてからスパイダソリティアに移る。
初級、勝率75%。最高88点で上がったことがある。
中級、勝率25%、上級は上がったことがない。
それはともかく、これにうかうかと2時間も使ってしまうことがある。
いろいろと、企画書の入力だのなんだの、
しなければいけないことが山積しているのだが。
そして、早く風呂に入って寝てしまうのが一番、とわかっているのだが。
くもの巣の魔力や外は木枯らしか
外じゃないだろ、心の中だろ。
まあ、見苦しい自問自答はいい加減にして。
つい啄木の歌を思いだしてしまうような情景だ。
なぜこうかとなさけなくなり
弱い心を何度も叱り
金かりに行く (悲しき玩具)
何度も叱るのは「カネを借りにゆくことをいやがっている、弱い自分」。
借金をしなければならない事態に立ち至った自分を叱っているわけではない。
たぶん、そうだろう。啄木は自己否定の人ではない。
ああ、オレはなんてだめな男なんだろう、という場合でも、
その口調にはどこか詠嘆がまざっている。でなけりゃユーモアはうまれない。
そういえば朝日新聞で連載されている朝日新聞社員としての啄木、
これはなかなかの豪傑ぶりだった。
啄木は、そもそも会社人間ではないのだ、といってしまえばそれまでだが。
あ、なんかこのへんにもテーマがありそうだ。考察は続く。(しょっち)