くるくるり

このまえの日曜日、息子の結婚式を撮影・編集したDVDを見た。
当日行けなかったぼくの両親と一緒に。
映像は一時間ちょっとにまとめられていただろうか。
なかなかよくできていた。ようやく全貌が分かった。
席がはじっこのほうだったので、当日よくわからない部分もあったのだ。
で、全部見終えた父(87)いわく。
「泣き上戸のおやじと、とぼけたおやじが並んだってわけだな」
あちゃー。
ま、とぼけたあいさつだったことは認めざるをえないけど。
なにしろ、両家を代表するシメの挨拶で、時代を語ってしもうた。
そういえば、ぼく自身の結婚式のときの、父のあいさつは、といえば、
「きょうまで息子のことはなにも知りませんでした」
というようなもので、なかなか素直な言葉だと感心して、
よくおぼえている。これもけっこうとぼけたおやじではなかろうか。
あれから三十数年。くるりくるりと時代が回っている。
傘持つ手凍えて渡る赤信号 (しょっち)


しょっちは案外挨拶が旨い(見かけより)と思っているのだが、
あの時の挨拶は横に並んでいて、途中からあちゃ〜。
そう感じてはらはらしている表情が、しっかり映っていた。
でも、映像で初めから最後までちゃんと聞いて見ると
そんなに悪くもない。
煮凝りを美味しと思う我なるか (玉)