吟庵

久しぶりに玉と近所の手打ち蕎麦の店へ。
会津山都の十割蕎麦。一週あけると久しぶりという感覚になる。
つい二週間も間が空くと、全身に飢餓感がつのっている。
特大(2人前)をがつがつっと食って蕎麦湯をたっぷり飲む。
体が浄化される感じ。まだ新そばの内なのか、
蕎麦の香が胸から頭の奥にしみこんでくる感じがある。
かくも聖なる食べ物はほかにない、という思いをまた新たにした。
店を出ると天頂付近に十三夜ごろの、腹のでっぱった月。
その右手に大きくオリオン座がくっきり。ベルトの三ツ星どころか、
腰から提げた短剣?の三ツ星までが、かすかに見える。
シリウスの白い光も。だが、全天一の輝きを放っているはずのシリウスが、
なんだか普通の1等星程度にしか見えない。月明かりが強いせいだろうか。
小さな公園を斜めに突っ切ると、すぐ我が家。
春宵や夜更くるほどに目が冴えて 
あ、やばい、腹減ってきた。(しょっち)