合気

きのう、久しぶりに合気道の稽古再開。
ちゃんとしたルートで高段者の教えを受けると、
月に何千円もの月謝が必要、ときいてびびるやつがおり、
当面はその日払いで済むどこかの体育館とか柔道場でやろう、
ということになって、とにもかくにも初稽古に集まったのが3人。
千代田区の総合体育館にある柔道場がいいときいて、行ってみた。
入り口で350円支払って、二階に上がると、剣道場と柔道場が並んでいる。
早速着替えたが、ロッカーの扉の開閉が、なんと10円玉2枚。
帰るときに10円玉1枚が戻る仕組みだ。いまどきめずらしい。
午後6時半。すでに柔道の稽古が始まっている。
道場の入り口に正座して正面に礼をしていると、声がかかった。
「初めての方ですか」
どうやら火曜の稽古を仕切っている人らしい。
「はあ。ここで稽古が出来ると聞いたもので」
「どうぞどうぞ。柔道をやっていらしたんですか」
「はあ、柔道は昔やってたんですが、今回は合気道を…」
「は?ここは火曜と金曜が柔道の稽古日になってますよ」
「はあ。まあ、久しぶりなので、いずれにしても準備体操くらいしか、
出来ないと思います」
「では隅っこのほうでやってください」
この柔道家合気道を目の敵にでもしてるんだろうか。
でも、しかたがない。袴をつけるといかにもって感じになるので、
柔道着だけにして、隅のほうに行く。
柔軟体操とか、立膝動作から始まる独特の準備運動を開始。
もうそれだけで汗をかいている。
そばでやってる柔道の稽古は、寝技から立ち技、
そして相手が順に変わってゆく乱取り
と昔ながらの手順で、まあ力任せの技の掛け合い。
野蛮なことおびただしい。
でもなつかしくて、つい二段だという相棒と柔道もやってしまった。
ちなみにぼくは柔道初段。高校の時に、講道館で取った。
足を飛ばしあい、小内刈りや大内刈り、出足払いや膝車など、
思いだしながら技を繰り出す。
本気になる前に、なんとなくお互いに引いた。また合気道の稽古に戻る。
技がどんどん思い出されてくる。うれしい。
あと何回かやれば、いいところまで回復しそうな気がする。
広い道場の片隅で、肩身の狭い思いをしながら、という環境も、なかなかいい。

春月夜鍵を忘れて散歩かな (しょっち)