文通

玉が引き出しから絵葉書をたくさん出してきたので、
面白そうなのを選んでいたずらがきを加えてまあちゃんあてに発送した。
そしたらきょう、まあちゃんから返事が来た。
ママからのはがきも一緒に着いて、それによると、
「せっかちのまあちゃんが手紙のとちゅうで封をして
ポストに走っていってしまいました」だって。
まあちゃん、手紙よりもポスト、そして「郵便」の不思議に
気づいたのかな。封を開けてみると、たしかに途中で終わってる。
テレビ電話と郵便の両方使える二歳児まあちゃん。
なんとまあ、かっこいいこと。
あれ?ふとみるとはがきが一枚、出したと思ったやつが戻ってきてる。
なぬ、貼紙がついていて「この郵便物は料金が50円不足ですので、…」だと。
あちゃー。土曜に出したやつだ。切手を貼るの忘れてたあ。
日曜に出したのと順番が入れ替わってしまうじゃん。
まあどうでもいいけど。でもこれでアラカンかよ。アラカンというか、
もうすぐジャストなんだけど。ジャスト還暦オヤジ。
さっそくひとこと書き加えて切手を貼り、ポストへ走る。
ほんとにポストに向かって走るんだよねえ。遠距離恋愛みたいなんだよねえ。
投函しないと落ち着かないんだよねえ。そうだ、きょうは消防団の会議だった。
ポストのそばに集会所がある。連中がぞろぞろ出てくるところにぶつかったら、
なんとしよう。手に孫宛ての絵葉書を握りしめ、ポストに向かって走ってるアラカン
杉作と天狗のおじちゃんだったら走ってるのはアラカンだが、こちらはちょいと、
間が抜けすぎて走ってる言い訳がむずかしい。
なに団会議さぼって違う方向へ走ってるんだ?
いやあの、ちょっとハガキを書いていて…
ふうん、そらそうとう大事なんだべな。
ええ、毎日書いてるもんで。
はあ?日課かね、そら精の出るこって。
仙台の孫でして。
お孫さんかい。
どんどん自供していって、しまいにいわんでもいいことぺらぺらしゃべってたりして。
最近の我が家の出来事みーんなしゃべってしまったりして。
まったく話し甲斐のない相手に一生懸命しゃべってしまうってこと、あるよね。
そんなこと妄想しながら走って、投函。ふう。
こうやって早く帰ってきた日に限って玉は不在なのだ。
しばし九州って、きょうからだったっけか。忘れてた。(しょっち)